その他労働法

2015年5月13日 (水)

労働条件の変更には合意が必要

こんばんは

今日は障害年金のご依頼者様とお会いしていました。
この方は、ご両親を通じてご依頼を頂きましたので、
お会いしたのは今日が初めてのことでした。
短い時間ではありましたが、直接お会いしてお話が出来たのは良かったと思います
受給権が獲得できるよう頑張ります

さて、今回は久しぶりに労働法について書きたいと思います。

現在お勤めの方は、雇い入れの際に働く際の条件を明示されていることと思います。
例えば基本給は幾らとか、各種手当がどうなっているかとか、
休日はどうなっているかとかいうことです。
これら働く際の条件を労働条件と呼びます。
一定のものについては、書面での明示をしなければならないとされています(労働基準法15条)。
これをやっておかないと、後で言った言わないの話になり兼ねないからです。

勿論、これは使用者の義務になっているのですが、
使用者にとっても労働条件を明示することは非常に重要なことです。
そうしないと、逆に労働者から勝手なことを言われる可能性も否定出来ません。
労働条件を明示することは、労使共に非常に大切なことなんですね

ところで、働いている途中で賃金を下げる、
所定休日をこれまでよりも少なくするというのはよく聞く話です。
労働者にとって不利な変更を不利益変更と呼びますが、
この事自体は、別に禁止はされていません。

労働契約法8条には次のようにあります。

労働者及び使用者の合意があれば、労働条件を変更することが出来る。


つまり、労使間の合意が大前提になるということです。

私は社労士ですので、使用者からのご相談を受けることが多々あります。
そして、この不利益変更のご相談を受けることもあります。
勿論、この不利益変更の際の合意は簡単ではありませんが、
やはり大切なのはきちんと話し合うことではないかと思います。

長引く不況で、会社としてもこれを乗り切るのは大変です。
会社の状況と不利益変更の必要性を誠実に伝えて、
労働者に納得していただく他はないでしょう。

たまに物凄い高飛車に、
変更して当たり前だと言わんばかりの使用者の方とお話することもあります。
しかし、それで合意を取るのは難しいですよね。

また、無理矢理合意の形を作ったとしても、
後で大きな問題になる可能性もあります。
労働者が社外の労働組合に掛け込んで、
ある日突然団体交渉を申し込まれることもあります。
そうなると会社は大変です。

一方、そういうことがなく、一見何の問題も生じていないように見えても、
誠実に話をして合意を得ておかないと、
労働者に大きなわだかまりが残ります。
そうなると会社の士気が下がります。
士気が下がると利益や生産の効率も落ちますので、
賃金を下げた以上の不利益が会社にもたらされることもあるのです。
また、有能な社員が去ってしまう原因にもなり兼ねません。
会社にとっては、これが一番怖いことではないでしょうか。

合意があれば労働条件を引き下げることは可能ですし、
そうせざるを得ない状況が存在することも分かります。
きちんと合意を取った上での変更は悪ではありません。

しかし、この合意を取ることを甘く考えると、
とんでもない結果がもたらされることもあります。

これから不利益変更をお考えの使用者の方は、
この点を重々ご留意いただきたいと思います。



障害年金の請求代行@熊本
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2013年1月16日 (水)

改正労働契約法⑤

こんにちは

先ほど、熊本市内の某病院に行っていました。
受診状況等証明書(初診日の証明)の作成依頼のためです。
初診日が20年前の案件(しかも、受診は1回だけ)なので、
カルテが残っている可能性は低いだろうなと思っていたのですが、
カルテがあった~!!!!!
いや~嬉しかったですね
もちろん、これで支給が決定した訳でも何でもありませんが、
初診日は相当に重要ですからね
もし、障害年金の請求はしたいのだけれども初診日が相当に古くて請求を諦めている方がいれば、
とりあえず初診の病院に問い合わせてみて下さい。
絶対とは言いませんが、カルテやその他の記録などが残っているケースもあります。
障害年金は諦めない気持ちが大切です

さて、『改正労働契約法』の5回目(結構長い続きものになりました)。
今回は「不合理な労働条件の禁止」について書きたいと思います。
コチラのリーフレットの4ページ目をご参照ください。

同一の使用者と労働契約を締結している、有期労働者と無期労働者の間で、
期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止しています。

ここでいう労働条件とは、賃金や労働時間といった狭い意味でのものではなく、
服務規程や福利厚生、教育訓練など、労働者に対する一切の待遇が含まれます。

・・・で、これだけ読むと無期労働契約に転換した場合は、
全て正社員並みの待遇にしなきゃイカンと思いがちなのですが、
法律はそのようなことはどこにも謳っておりません。

あくまでも、有期と無期の労働契約において、
労働条件を差別してはいけないことを規定しているだけです。

有期労働契約については、パートなどの短時間労働者が多く含まれますよね?
そして、正社員とパートでは労働時間だけでなく、業務の種類や責任の範囲も違ってきます。
当然、待遇なども違っているケースが殆どではないかと思われます。
これは別に、不合理なことではありません。

例えば、正社員には扶養手当が支払われるが、
パートさんには支払われていないという会社があったとしますね。
あるパートさんは1年間の有期労働契約を結んでいました。
この人が5回の契約更新を経て無期労働契約のパートタイマーになったとすると、
別にこの人に扶養手当を支払わなくてはならないということはありません。
あくまでも、有期と無期の労働契約上での労働条件の相違について、
法律で規制しているに過ぎないのです。

また、この労働契約法については、
罰則規定がありません。
あくまでも、民法の延長にあるというイメージで捉えて下さい。

全5回に渡って労働契約法を解説いたしました。
法律の条文や厚生労働省のパンフレットだけを読んでいても、
なかなか難しいし、誤解を招くことも多いのではないかと思います。
このブログをお読みの事業主の皆様、
労働法のエキスパートである、
社会保険労務士にご相談されることをオススメします。



障害年金の請求代行@熊本
たびら社会保険労務士事務所
http://www.tabira-sr.com




2013年1月15日 (火)

改正労働契約法④

こんばんは

今日は鏡開きでしたが、ぜんざいなどを食べられた方も多いのではないでしょうか?
ウチの鏡餅はというと・・・、カビだらけでとても食べれるような代物ではありませんでした
表面いっぱいに緑のカビが生えていて、まるでよもぎ餅。
(そういうと美味しそうですが、かなり気持ち悪いですしたがって、
写真のアップも自粛します
ラップで包んでいたのですが、しない方が良かったのかも

さて、改正労働契約法の4回目。
コチラのリーフレットをご参照ください。
「雇止め法理」の法定化について説明いたします。
(リーフレットの3ページ目、上から1/3あたりをご覧ください)

雇止めというのは、労働契約の期間満了をもって(次回の契約更新をせずに)
契約を終わらせることを言います。
雇止めをすること自体、即法違反という訳ではありません。

しかし、何度も当たり前のように契約更新を続けてきたのに、
「次回は更新しません」と言われたらどうでしょう?
次も更新されるものと思っていた労働者は納得出来ませんよね?
実際にそういったトラブルによる裁判も起きています。

今回の改正では、最高裁の判例等で用いられた法理が条文化されています。
具体的には、下記の①②のいずれかに該当する場合はその雇止めは無効と判断されます。


①過去に反復更新された労働契約で、
 その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同一視できると認められるもの

東芝柳町工場事件の要件を規定化した。
②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に
 当該有期労働契約が更新されるものと期待することにおいて、
 合理的な理由があると認められるもの

日立メディコ事件の要件を規定化した。

因みに、東芝柳町工場事件では雇止めは無効、
日立メディコ事件では有効との判決が出ています。
単に更新の回数のみではなく、業務の内容、これまでの慣例、契約更新手続きの有効性、
次回の契約更新を期待することについての合理性、
雇止めを行うことの合理性などが総合的に判断されているようです。

上記①②に該当する場合には、雇止めは無効とされ、有期労働契約が更新されます。
ただし、この法理が適用されるためには、労働者からの更新の申し込みが不可欠となります。
(これは当然ですよね。労働者が希望していないのに、契約更新する必要はないのですから。)

そして、この労働者からの申し込みは、事業主からの雇止め通知等に対し、「嫌だ、困る」などの、
労働者からの反対意思が伝わるものであればOKとされています。

・・・申し訳ございません、今回も長くなって来ました。
もう一つの改正点については、また次回書きたいと思います



障害年金の請求代行@熊本
たびら社会保険労務士事務所
http://www.tabira-sr.com




2013年1月14日 (月)

改正労働契約法③

こんばんは

今日は西浦荒神社に年始参りに行っていました。
『西浦の荒神さん』の愛称で呼ばれる同神社、
私も幼少の頃から両親に連れられて行っていました。
かなり有名な神社なので、県内外からの参拝客も多く訪れます。
柔道金メダリストの谷亮子も、オリンピック前にお参りをしていたらしく、
サインが飾ってありました。
今年1年間の無病息災を願いました

さて、『改正労働契約法』の3回目。
今回はクーリングオフについて説明いたします。
こちらのリーフレット(3ページ目)をご参照ください。)

有期労働契約と次の有期労働契約の間に、
空白期間(契約のない期間)が6ヵ月以上ある場合は、
その空白期間より前の有期労働契約は通算しません。

これをクーリングオフと呼びますが、こちらについても注意点があります。

【注意点】
通算期間が5年になったら6ヵ月空白期間を開けなければならない、
 と言っている訳ではありません。

②上記はあくまでも原則であり、これは有期労働契約が1年以上のケースについてのものです。
 有期労働契約が1年未満の場合は、空白期間はもっと短くなります。
③通算期間は、同一の使用者に使用されるごとに計算します。

【補足】
①について・・・これは全く法の趣旨に反するものです。故意に行うのは止めましょう。
②について・・・例えば通算対象の契約期間が1年未満の場合は、
 その1/2以上の空白期間があれば通算しないことになります。
 詳細は厚生労働省令で定められていますが、具体的には下記のとおりです。

  (契約期間)                  (空白期間)
   2ヵ月未満          1ヵ月
2ヵ月以上4ヶ月未満      2ヵ月
4ヶ月以上6ヵ月未満      3ヵ月
6ヵ月以上8ヵ月未満      4ヶ月
8ヵ月以上10ヵ月未満     5ヵ月
     10ヵ月以上           6ヵ月

要するに、最低でも1ヵ月の空白期間がないとこのクーリングオフはされません。

③について・・・同一の使用者に使用されるごとに通算されますので、就業場所や営業所、
 支社などが異なる場合であっても、使用者が同じであれば通算されます。

クーリングオフについては、1年以上の契約期間がある場合は6ヵ月以上、1年未満の場合は、
1~6ヵ月、契約期間の長さに応じて決まっていると覚えておきましょう。

無期労働契約への転換については、これで説明を終わります。
残る2つの改正については、また次回書きたいと思います
       


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2013年1月13日 (日)

改正労働契約法②

こんばんは

今日のお昼に、『巨大マグロ戦争~初競りに賭ける男たち~』(再放送)を見ていました。
今年の初競りで、史上最高額1億5540万円が付いたのは記憶に新しいところだと思います。
マグロを巡って仲買人、漁師名店の店主、
それぞれの立場からのドキュメンタリーはとても見応えがありました
それにしても、1億5540万円のマグロってどんな味がするんでしょうか?
(間違いなく、一生口にすることはないでしょうが

さて改正労働契約法の2回目。
今回は内容を少し詳しく見て行きます。

最初は『無期労働契約への転換』について。

これを説明する前に予備知識として知っておいて頂きたいのですが、
期間の定めのある労働契約(以下、有期労働契約)については、下記のルールがあります。

【原則】
・上限3年
【例外】
・一定の事業(土木建設の事業など)の完了に必要な期間を定める労働契約・・・終期まで
・認定職業訓練を受ける労働者に係る労働契約・・・終期まで
・専門知識等を必要とする業務や60歳以上の労働者・・・上限5年

※あくまでも、1回の労働契約期間についてのルールになります。
 したがって、契約の更新によって3年や5年を超えることは認められています。

これを踏まえて、『無期労働契約への転換』について見て行きましょう。
(資料として、厚労省から出ている
コチラのリーフレットをご覧ください)

リーフレットの2ページ目にあるとおり、有期労働契約が更新により反復して5年を超える場合は、
労働者の申し込みにより、無期労働契約(期間の定めのない労働契約)に転換することになります。

尚、これについての注意点は下記のとおりです。

①5年以上ではなく、5年を超える場合です。
 したがって、通算して丁度5年という場合はこのルールの適用はありません。
②5年を超えた場合であっても、労働者からの申し込みがなければ
 無期労働契約への転換の必要はありません。
③例えば6年目の契約時に申し込みをしなかった場合でも、7年目に申し込みがあれば、
 次の契約更新時には無期労働契約に転換しなければなりません。
正社員として契約しなければならないという訳ではありません。
⑤労働者への周知義務は特に定められていません。
⑥通算期間のカウントは、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約が対象です。

【補足】
④について・・・これは誤解の多いところだと思います。
   このルールは、あくまでも無期労働契約にすることを義務付けているに過ぎません。
   例えば週3勤務、1年契約であったものについてこのルールを適用されるとしても、
   無期労働契約に転換後も、引き続き週3勤務で契約しても問題ありません。

⑤について・・・労働者への周知義務は特に謳われておりません。
   したがって、就業規則への記載は義務付けられておりません。
   因みに、労働局のHPから労働条件通知書のモデルがダウンロードできますが、
   こちらにはこのルールが記載されています。
   しかし、この記載は義務付けられたものではありません。

⑥について・・・例えば、平成24年9月1日~平成25年8月31日までの1年契約を結んでいる場合は、
   この契約については、通算のカウントには含めません。

『無期労働契約への転換』については、クーリングオフというルールも存在します。
ちょっと長くなって来ましたので、続きはまた次回



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2013年1月12日 (土)

改正労働契約法①

こんばんは

今日、高校サッカー選手権の準決勝が行われ、
宮崎県代表鵬翔高校が星稜高校を下し、見事決勝戦へ進出しました
2度のリードを追い付き、PK勝ちした粘り強さは素晴らしいと思います。
実は私、大学時代を宮崎で過ごしたこともあり、この朗報を非常に嬉しく思っております
何でも宮崎勢初の決勝進出だとか。
是非頑張って優勝して欲しいものです

さて、今回のテーマは『改正労働契約法』について。
これは、昨年8月に改正されたもので、
一部は同日、残る部分は今年4月に施行されることになっています。
有期契約の労働者を使用されている事業主にとっては、非常に重要な内容となっております。

また、社労士試験の受験生の方にとっても、
来年の試験に出る可能性のあるテーマですので、是非ご参考にされてください。

さて、この『労働契約法』ですが、この法律は平成20年3月に施行された比較的新しい法律です。
この法律が出来る以前、個別労働関係紛争が年々増加していました。
個別労働関係紛争とは、労働基準法に違反したことによる労使間のトラブルということではなく、
労働契約上での民事上のトラブル等のことを指します。

例えば、就業規則を変更したことによって労働条件が以前よりも悪くなった場合、
当然労働者から不満が出ますよね?
でも、こういった労働契約についてのルールは、一部の法律に部分的に規定されているに過ぎず、
全体的なルールを定めた法律は存在しませんでした。

そこで、双方の権利義務について、
労働契約に関する体系的・民事的なルール作りが必要になって来ました。
労働契約法の成立には、そういった背景があります。

法の施行から約4年、法律の中身が見直されることになりました。
今回の改正は、有期労働契約に関する部分についての見直しの内容となっております。
有期労働契約とは、平成○年○月○日〜平成○年○月○日といった、
期間の定めのある労働契約を指します。

今回は、下記の3点が改正になっております。


①無期労働契約への転換
②「雇い止め法理」の法定化
③不合理な労働条件の禁止

※①③については平成25年4月1日から、
 ②については平成24年8月10日(法成立日)からの施行となっております。

長くなって来ましたので今回はこの辺で終わりますが、
次回からその内容について見て行きたいと思います。


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